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逢いたいから~心で告げた百万回の〝好き〟~
第3章 もう一度だけ、あなたに逢いたい
 既に辺りの風景は夜の底に沈んでいて、古くからの家並みが続く住宅街は静まり返っていた。道路沿いの家々に灯るオレンジ色の灯りだけが闇に滲んで浮かび上がっている。
 時計は午後七時を回り、後部座席に芽里を真ん中にして萌と萬里が座った。芽里は疲れたのか、車に乗るとすぐに眠ってしまった。
 フロントガラスのワイパーが作動する音だけが静寂の中、やけに耳につく。史彦も父の長話の相手に疲れたようで、いつもより更に無口だ。黙々と運転に集中している。
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