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逢いたいから~心で告げた百万回の〝好き〟~
第3章 もう一度だけ、あなたに逢いたい
その夜半、萌はシャワーを済ませて、風呂場から出てきた。夫の史彦の帰宅は大抵、十二時近い。営業という仕事柄、色々と付き合いもあれば、時には残業で遅くまで会社に居残っていることもあるのだ。
だから、夕食はいつも娘たちと先に済ませておく。その日、史彦が帰ってきたのは午後十一時で、常を思えば早かった。萌は冷めたハンバーグを温め直し、史彦の食事が終わるまでは甲斐甲斐しくキッチンで動き回る。