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波の音が聞こえる場所で
第6章 救世主現る
「今履歴書持ってないですけど面接大丈夫ですか?」
「いいよ。もちろん坂口君がめでたく僕に採用されたら履歴書は用意してもらうけどね」
「お願いします」
 今僕に降りかかっている現実をしっかり考えて、僕は決断した。
 きっとこんな辺鄙な街でもきっと居酒屋くらいはある。そこには絶対四十くらいの女将さんがいて、僕が暖簾を潜るのを待っているはずだ。僕は僕の冒険の始まりを信じる。
「実はさ、僕の店も人手不足なんだよ」
「……」
 こんな海辺のリサイクルショップに人が来るとは思えない。
「坂口君、客なんて来ないと思っていない?」
「来るんですか?」
「来るんだよ。そして僕の店はいつも人手不足。だかから君を面接をしようと思ったんだ。筆記試験なんてないから。坂口君、大学生?」
「はい」
 まだ退学届けは出していない。
「ちなみにどこの大学?」
「R大学です」
「ほぉ、すると長嶋の後輩だね?」
「長嶋って誰ですか?」
「君、長嶋知らないの? ジャイアンツの栄光の背番号3、本当に知らないの?」
「ジャイアンツって野球のことですか?」
「それ以外のジャイアンツってあるの?」
「僕、野球は全然わかりません」
「ちよっとつまんないね」
「……」
 野球を知らないとつまらない人間になってしまうなんて、そっちの方がおかしいし僕は納得がいかない。
「まぁそんなことはどうでもいいや。要は仕事ができるかできないかだ。坂口君を見てそれを僕が決める」
「……」
 だったらジャイアンツを持ち出すなよ、と僕は言いたい。でも言えないから心の中に収めておく。
「坂口君、君は僕の期待を裏切らない人間のようだ。坂口君の第一印象最高だよ」
「どうしてそれがわかるんですか?」
「僕にはね、見えるんだよ」
「何が?」
「君の顔だよ」
「僕の顔?」
「そう坂口君の顔。心の声が顔に出るんだね。ちゃんと君の顔に書いてあるよ。ジャイアンツのことなんてどうでもいいだろうってね。ははは」
「……」
 何かやばい奴に引っかかったんじゃないだろうか? 今からでも遅くはない、魚市場へ……、遅かった。渡らなければならない橋を通り過ぎてしまった。
「坂口君、君超ラッキーだよ。後一時間か二時間くらいで雨が降り出す。風も強くなるからね。それが二日か三日続くかもしれない」
 久須美が目だけ空に向けてそう言った。久須美の言葉に嘘はなかった。
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