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檻の中の花嫁
第3章 初夜

暗い部屋の隅で、澪は膝を抱え、小さく震えていた。
先ほどまでの騒がしさが嘘のように、今は静寂だけが部屋を支配している。
しかし、その静けさが、澪の恐怖を一層掻き立てた。
廊下の向こうから、ゆっくりと足音が近づいてくる。
それは、まるで死刑執行人の足音のように、澪の心臓を締め付けた。
「ガラ…」
襖が開く音が、静かな部屋に響き渡る。澪は息を呑み、体を固くした。
そこに現れたのは、壱成だった。
彼の影が、部屋の灯りの下で長く伸びる。
その圧倒的な存在感が、澪を恐怖の淵へと突き落とす。
壱成の視線が、澪を捉えた。
その冷たい眼差しは、まるで獲物を狩る獣のようだった。
澪は、その場から動けなくなった。
「俺が、お前の初めてになる」
壱成は、低い声で告げた。
その声は、まるで氷のように冷たく、澪の体を震わせた。
澪の喉が詰まり、息を飲む音だけが、静かな部屋に響く。
逃げ場はない。澪は、ただ、恐怖に耐えるしかなかった。
壱成が一歩、また一歩と近づくたびに、澪の鼓動は早まる。
まるで、心臓が口から飛び出してしまいそうだった。
壱成が、澪の目の前に立った。
その時、澪は悟った。
自分は、もう逃げられない。
この男から、決して逃れることはできないのだと。
壱成は何も言わずに澪の前に膝をついた。
その無表情な顔は、まるで能面のように感情を読み取ることができなかった。
澪は、恐怖で体が強張り、息を詰めた。
背筋が氷のように冷たくなり、喉がカラカラに渇いていく。
壱成の手が、ゆっくりと澪の顎に伸びてくる。
その指先が澪の肌に触れた瞬間、澪は反射的に体を強張らせた。
壱成は、構わず澪の顎を掴み、強く持ち上げた。
「……っ」
澪は、思わず声を漏らしそうになったが、必死に唇を噛み締めた。壱成の指が、澪の頬に食い込む。
痛みに顔を歪めた澪は、必死に目を逸らそうとした。
しかし、壱成はそれを許さないように、さらに力を込めた。

