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檻の中の花嫁
第3章 初夜

「怖がっても無駄だ。
これは、この家の掟だ。俺も、やりたくてやってるわけじゃない」
壱成が、低く囁いた。
その声は、まるで氷のように冷たく、澪の体を震わせた。
壱成の手が、澪の肩を押さえつける。
澪は、力を込めて押し返そうとした。しかし、壱成の体は微動だにしない。
「やめて…!」
澪の声が、震える。
しかし、壱成は表情を変えずにじっと澪を見下ろしている。
その瞳には、一切の感情が映っていなかった。
「お前は、俺のものになるんだ」
壱成が、静かに告げた。
その声には、感情の色がない。
まるで、人形が喋っているかのように、無機質な声だった。
澪は、恐怖で体が震え、涙が溢れそうになった。
しかし、必死に涙を堪え、壱成を睨みつけた。
その時、澪は悟った。
この男には、何を言っても無駄だ。
この男は、自分のことを人間だと思っていない。
ただの所有物、ただの道具。
そう思っているのだと。
だから、何を言っても無駄だ。
抵抗しても無駄だ。
この男には、何も届かない。
澪は、絶望した。
キスを終えた壱成は、澪の顔をじっと見つめていた。
しかし、その瞳は苦悩に満ちていた。
「お前を、壊したいわけじゃない」
壱成は、低い声で告げた。
その声は、まるで心の奥底から絞り出すようだった。
壱成は、自分自身を抑えるように、拳を強く握りしめた。
その拳は、小刻みに震えていた。
(俺は…この女に、何をしているんだ……?)
壱成は、内心で葛藤していた。
この少女を、こんな目に遭わせるために連れてきたわけじゃない。
そう思えば思うほど、自分の行動が許せなくなった。
澪は、壱成のその表情を見て、ほんの少しだけ心が揺らぎそうになった。しかし、まだ信じることはできなかった。
(この人は、本当に優しいの…?それとも……?)
澪は、壱成の瞳を見つめながら、そう問いかけた。
彼の瞳には、先ほどまでの冷酷さはなく、ただ、澪を見つめる優しい光が宿っていた。
しかし、澪は、その光を信じることができなかった。
この男は、自分を騙そうとしているのかもしれない。
そう思わざるを得なかった。

