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檻の中の花嫁
第3章 初夜

壱成は、ゆっくりと澪の頬に手を添えた。
その指先は、微かに震えていた。
「……」
澪は、息を呑んだ。
壱成の指先が、澪の唇に触れる。
その感触に、澪は体が強張った。
壱成は、ゆっくりと顔を近づけ、澪の唇に自分の唇を重ねた。
そのキスは、先ほどよりもさらに優しく、そしてゆっくりとしたものだった。
澪は、戸惑いながらも、壱成のキスを受け入れた。
その時、澪の心には、言いようのない感情が芽生えていた。
(この人は、本当に優しいのかもしれない……)
そう思った。
しかし、すぐにその考えを打ち消した。
この男は、自分を騙そうとしているのかもしれない。
そう思わざるを得なかった。
澪は、壱成のキスを受け入れながらも、心の奥底で葛藤していた。
壱成の指が澪の頬をなぞる。
その指先は、いつの間にか優しくなっていた。
部屋の灯りが揺らぎ、影が壁を這う。
澪は、喉の奥で小さく息を詰めた。
壱成の体温が、澪の冷えた肌にじんわりと伝わってくる。(熱い…)澪は自分の思考がぼやけていくのを感じた。
指先が髪をすくい、首筋に触れると、微かに鳥肌が立つ。
「……怖がらなくていい」
低く、震えるような声。
壱成は、唇をわずかに噛みしめる。
(抑えなければならない。でも、この感触が…)
彼の呼吸が少し乱れる。
澪は、ただ身を強張らせることしかできなかった。
だが、その手はもう力強く彼女を押さえつけてはこない。
(この人は、本当に…優しいの…?)
そう思った瞬間、壱成の腕に捕らわれ、
逃げられなくなったことを悟る。
灯りが揺れ、柔らかな影が二人の間を包む。
湯気のように絡み合う息遣いが、空気を満たしていく。
遠くで、風が襖を微かに揺らした。
壱成の指先が、澪の首筋から肩へと滑り落ちる。
その動きは、まるで愛撫するかのようだった。
澪は、身を強張らせながらも、その感触に微かに身を震わせた。
壱成の視線が、澪の首筋から胸元へと移る。
その熱い視線に、澪は羞恥心を覚えた。
「……綺麗だ」
壱成は、囁くように呟いた。

