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正義と道徳のアクメ
第3章 惚れた女の秘所がどんな味と匂いか詳しくレポートしろ!

空の裾が紅く染まりはじめる午後五時ごろのこと。
盆地にある地方都市の駅前に市役所の鐘の音が撒き散らされると、ビジネス街からゾロゾロとスーツやオフィスカジュアルの面々が湧き出してきた。行き交う人の数はさほど多くはないが、確固たる経済的活気に満ちたこの町の繁華街には造り物ではない昭和の香りが漂っている。
そんな繁華街のメインストリートの中ほどにある地方テレビ局の別館裏口から、二十代半ばと見られる宝塚の男役のようなベリーショートの女がゆったりと出てきた。長身に白いパーカーと黒い革ジャンをひっかけ、スキニーデニムに通した長すぎる脚でメインストリートを闊歩する。
その後ろからラフな服装の長髪を束ねた青白い痩躯の男と、口ひげを生やした小太りでスキンヘッドの男二人が付き従うように続く。二人の男は小声で何やら話し合っていた。
「じゃあ、いつもみたくお前ん家で二次会やる流れに持ってって、飲まなきゃ空気読めねぇ奴的な雰囲気作ってヤっちまう…って感じでいいのか?」
「あぁ」
「でもよぉ、こないだみたくゴネられて既成事実作れねぇうちに逃げられたらどうすんだ?」
「そうなりそうなら一服盛っちまえばいいよ」
「それって流石にヤバくねぇか?証拠残ったら警察が動かざるを得ないんじゃね?」
「どうだろうな…」
男たちが両脇からお伺いを立てるように凛とした上がり眉を覗き込むと、女は半月切りのメロンのような瑞々しい唇を緩め、カっ!とローヒールの踵を鳴らして立ち止まった。
「だから、今回はそういう危機管理能力が無さそうなエリートコースまっしぐらのお嬢様を引っ掛けて来たんじゃないか」
「だけど…」
「急に不安になってきちまってよ…」
芯のある声色で諭すが男たちの懸念は拭いきれず、女は軽やかに長身を反転させると男たちの肩に手を乗せて舞台上の女優のように首を傾げた。
「今まで、あたしらの“部活”が大っぴらになったことがある?危うく外に漏れそうになったことがある?」
「ないけど…」
「ないよ…」
「大船に乗ったつもりで楽しもう!いつも通りだ。来年には三人で独立しようって約束でしょ?いつまでも安月給でコキ使われたい?」
躊躇などこれっぽっちも感じさせない堂々たる口調に、男たちは揃って顔を横に振った。
女は、今度は顔を寄せて小声で囁く。
盆地にある地方都市の駅前に市役所の鐘の音が撒き散らされると、ビジネス街からゾロゾロとスーツやオフィスカジュアルの面々が湧き出してきた。行き交う人の数はさほど多くはないが、確固たる経済的活気に満ちたこの町の繁華街には造り物ではない昭和の香りが漂っている。
そんな繁華街のメインストリートの中ほどにある地方テレビ局の別館裏口から、二十代半ばと見られる宝塚の男役のようなベリーショートの女がゆったりと出てきた。長身に白いパーカーと黒い革ジャンをひっかけ、スキニーデニムに通した長すぎる脚でメインストリートを闊歩する。
その後ろからラフな服装の長髪を束ねた青白い痩躯の男と、口ひげを生やした小太りでスキンヘッドの男二人が付き従うように続く。二人の男は小声で何やら話し合っていた。
「じゃあ、いつもみたくお前ん家で二次会やる流れに持ってって、飲まなきゃ空気読めねぇ奴的な雰囲気作ってヤっちまう…って感じでいいのか?」
「あぁ」
「でもよぉ、こないだみたくゴネられて既成事実作れねぇうちに逃げられたらどうすんだ?」
「そうなりそうなら一服盛っちまえばいいよ」
「それって流石にヤバくねぇか?証拠残ったら警察が動かざるを得ないんじゃね?」
「どうだろうな…」
男たちが両脇からお伺いを立てるように凛とした上がり眉を覗き込むと、女は半月切りのメロンのような瑞々しい唇を緩め、カっ!とローヒールの踵を鳴らして立ち止まった。
「だから、今回はそういう危機管理能力が無さそうなエリートコースまっしぐらのお嬢様を引っ掛けて来たんじゃないか」
「だけど…」
「急に不安になってきちまってよ…」
芯のある声色で諭すが男たちの懸念は拭いきれず、女は軽やかに長身を反転させると男たちの肩に手を乗せて舞台上の女優のように首を傾げた。
「今まで、あたしらの“部活”が大っぴらになったことがある?危うく外に漏れそうになったことがある?」
「ないけど…」
「ないよ…」
「大船に乗ったつもりで楽しもう!いつも通りだ。来年には三人で独立しようって約束でしょ?いつまでも安月給でコキ使われたい?」
躊躇などこれっぽっちも感じさせない堂々たる口調に、男たちは揃って顔を横に振った。
女は、今度は顔を寄せて小声で囁く。

