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第4章 少女の分泌液の甘さは望まぬ挿入の苦しみをいくぶん慰めた！

　そして手元のナイフを床に落し、土下座するように膝を落とした。
「お、お願いします…あたしにだったら何してもいいんで…好きにしていいんで中野さんだけは…うぅぅっ…中野さんだけは殺さないでください…！あたしは中野さんといてやっとあたしなんです…あたしの命なんです！お願いしますっ…」
　学は裸体を濡らして泣き崩れる小娘に床へ落ちたナイフを握らせ、自らの右頬を人差し指で指し示した。
「彼女に付けた傷を俺にも付けろ。それでこのクソヤクザは見逃してやる…」
　状況が飲み込めないでいる少女は、ただ唇を震わせて見返してくる。
「早くやれっ！俺も彼女といてやっと俺なんだ…さっさとしないと俺はチンピラヤクザをひとり異世界送りにする正義を働いちまうぞっ…！」
「うっ…うわあぁぁぁぁっ！」


「啓子さん、ロープ切れたか？」
「うんっ！」
　啓子がフジツボまみれのアンカーロープをバタフライナイフで切断すると、小型ボートは軽快なエンジン音を立てて出来たての青空を映す海へ滑り出した。大きな弧を描いて船着き場から離れると、先ほどまで監禁されていた小屋を背にグングンと沖へ向けて速度を上げる。
「学さん、ヨットまで操縦出来るなんて…スゴぉい！」
　運転席のハンドルに必死にかぶりつく学に啓子は声をかけた。
「スマホで動画を観ただけの見よう見まねだよ。事故って死んだらごめんな…」
　学は、中野仁義から金目のものと共にヨットの鍵を奪って港町から逃走を図った。
　次第に前方にも後方にも陸が見えなくなり、飛沫を巻き上げて直線的にボートを走らせる学に啓子は気まずげに口を開く。
「あの、今朝のこと…本当にごめんなさい…」
「もういいって。いきなり荷物ごと居なくなった時は流石にビックリしたけどな」
「ひとり旅の感じを出したくて荷物まで持って出ちゃったの…ごめんなさい…」
「いいって…」
「でも、あのヤクザの人…どうやって見つけたの？」