この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
正義と道徳のアクメ
第6章 言え!あの男のモノよりもこっちの方がイイと言えっ!
 ねっとりと空気が重みを増しはじめる午後四時すぎのこと。
(うっ…!)
学はすぐにそこから顔を背けた。
 防犯カメラの設置が遅れているローカル線を乗り継ぎ、啓子と共にこの山裾の宿場町の終着駅へ辿り着いた学は、改札を出た所であるものを見てしまう。
「どうしたの?」
「な、何でもない…行こう…」
 それは、自分たちのものと思われる公開手配のポスターだった。
 『スタンガン』『傷害』『頬に傷』『男女』という黄色いゴシックの文字の断片と、防犯カメラに写る解像度の低い自分たちの画像と、まだ氏名などの素性はバレてはいないことが一瞬だが読み取れた。
 俺たちが関わった人間が死んだのか…?でないと、警察も公開手配には踏み切らないのではないか───血管を絞り上げるほどに恐怖を煽る力を、そのアナログなポスターは持ち合わせていた。が、恐ろしさのあまり詳細を調べる気にはならなかったし、啓子が高島美鈴から奪ったスマホもすでに盗難車と一緒に破棄していた。
 顔に貼りっぱなしの絆創膏も着っぱなしのスーツもどうにかしなくては危険だと思ったが、学はポスターのことを啓子に言えずにいた。
「ねぇ、お腹空いた…」
「そうだな…朝から何も食べてないしな…」
「あと、眠い…!お布団で寝たいなぁ…」

 木造の駅舎の前に寂れたアーケード街があったが、防犯カメラから逃れるように線路沿いに進んでいるうちに見つけた昭和の昔から営業しているような古びた喫茶店へ入って食事を取った。
 こうもビクビクと背中を丸めて死に場所という自由を求めて旅をしているとは、何という皮肉だろうか。人目も気にせず堂々と飲み食いし、水平線に囲まれた海の上でセックスに耽り、ホテルで泥のように眠っていた頃が懐かしく思い出されるが、そんな行動のひとつひとつが今の不自由を産んだかと思うと密かに心が煮えくり返った。
「ね…触って…」
 そんな学の心中を知ってか知らずか、啓子が発情する。テーブル席の隣からズボンの前に指を這わせ、タイトスカートをずり上げて白い下着の先端を見せつけてくる。
「おい、やめろよ…」
「だって…最近あんまりしてないし…」
「分かったから、場所をわきまえろって…」
「じゃあ、どこかの泊まってセックスしよ…?お金はあるんだし…」
「声、デカいって…」
 思えば『前進の村』の道場を出てから数日間、ほとんどセックスをしていなかった。
/89ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ