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正義と道徳のアクメ
第7章 これだけ顔を寄せ合って唇が触れなかったことがあっただろうか!
 そうしているうちにふたりは鼻先が触れる距離まで顔を寄せ合い、瞬きもせずに火花を散らして見つめ合った。部屋中に氾濫する生臭い嬌声とは裏腹に、彼らはふたりきりの空間へ閉じられてゆく。啓子の吐息の甘さを久しぶりに感じた学はどこか懐かしい気持ちになったものの、こうして彼女を感じるのは最後かもしれないという終末感にも同時に切り刻まれた。
 これだけ顔を寄せ合って唇が触れ合わなかったことがあっただろうか、舌を差し出さなかったことがあっただろうか、きつく抱擁しなかったことがあっただろうか、ひとつになろうとしなかったことがあっただろうか。
「んあぁぁ~っ!だってしょうがないじゃない…僕ちゃんの…ひぃぃっ!僕ちゃんの太っとぉいおチンポが悪いのよぉ…あぁぁ!それっ…イイっ!」
「じ、実はパパはねっ…啓子が初恋の人だったんだ…本当だよ…なのにずっと…ずっと言えなくて苦しかったんだよぉ!啓子ぉっ…!」
 学が性に取り憑かれた青年のしゃがれ声を、啓子が覚えたての味に溺れる生娘の金切り声を病的な夫妻の淫声に絡ませる。すると川上氏は猛禽類のような唸り声へと、川上夫人は発情期のメス猫のような怨声へとハーモニーの音色を進化させてゆく。
 その熱に煽られた五月はたまらず代表の唇を舐め回し、代表も我を忘れたように完熟した肉茸を彼女の下腹部へ擦り付けた。
 他の男女たちもふたりを歓迎するように、手の届く素肌へ指や舌や唇を這わせはじめた。
 社会から尻尾を巻いて逃げ出してひょんな場所で出会った学と啓子は、これまで心の内を誰にも明かすことなく生きてきた。そんなふたりが本音をぶつけ合えるようになったのも束の間、次第に元通りに本音を押し隠しはじめてしまう。だが、今はこうも饒舌に、心の底から、言葉を使わずとも本音をぶつけ合い、それを、身体で感じ合っている。
 学が僅かに眉頭をひそめて視線に力を込めると、啓子は瞳だけで頷いて開きっぱなしの唇を軽く閉じた。
「はあぁぁんっ…!僕ちゃん、お願い…戻ってきてぇっ!悪いママを許してぇ…!ママねぇ、僕ちゃんがいないと淋しくて生きてけないのぉっ…!」
「啓子っ…本当にずっと一生パパと一緒にいてくれるのかっ…?帰ってきてくれるのかっ?信じていいのかぁっ…?」
 川上氏は許しを請うように啓子へ目まぐるしく出入りし、川上夫人は罰を受け切るように学の怒りの鉄槌にその身を任せた。
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