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第8章 （最終話）何だか、新婚初夜みたいだね！

「だって、ココくらいなんだもん…学さんが情けない声出してくれるのって」
　学から指を抜き、啓子はしゃがみ込んで恥穴と目線の高さを合わせる。そこへフっと息を吹きかけると、無抵抗の恋人はビクン…と無言で足元を揺らがせた。指が抜けたばかりで中途半端に口を開く末端に、尖らせた舌先を這わせる。
「ああぁっ…！」
　鼻にかかった学の甘え声にさらに気を良くした啓子は右回りに円を描き、男らしく毛の生えた太股の間から前に腕を回り込ませ、シャワーの奔流に逆らって天井を仰ぐ肉柱を軽く握り込んだ。
「お、おいっ…ダメだって！それは…」
「へぇ～っ…何がダメなのぉ…うふふっ…」
「すぐ…出ちまうって…そんなの…」
「じゃ、出しちゃえばいいじゃない…チュルっ…」
「は、あぁぁっ…！」
　啓子は流れ切っていない腰元の泡を手に取り、亀頭のくびれに指の腹を滑り込ませたり、そこから逃れんと跳ね上がる肉棒をさらに握り締めたり、制裁を加えるように爪先を喰い込ませたり、突然高速でしごき上げたりと好き放題に弄んだ。
「ダ…ダメだ…マジで…で…出ちまうぅぅっ…」
「何が出ちゃうのぉ？言ってごらんなさい学くん…うふふふ…」
「な、何を言わそうとしてんだよ…」
　ぴた。と手が止まる。
「ど…どうして止めるんだよ…」
「言わないから。高島美鈴さんや遠藤五月さんにはいーっぱい甘えておいて、私にはちっとも甘えてくれないから。私もう、寝るね」
　学は啓子に見えぬよう壁へうつむき、下唇に込めた羞恥を噛み締める。
　力なくうなだれる学のうなじをヒクつく尻穴の側から見上げ、啓子はクククと笑いを堪えた。
「い、言うよ…精子が…出ちまいそうなんだ…よ…」
「で、どうされたいの？」
「続けて…欲しい…」
「欲しい？あ、そう…もう眠いからおやすみ…」
「つ、続けてくださいっ…！」
「うふふっ、可ぁ愛いっ！素直でよろしい…」
　啓子は舌を突き出して泡立った唾液を手のひらへ垂らし、爆発寸前に腫れ上がった勃起にまんべんなく塗りつけて高速でしごいた。
「なっ…何だそれっ…？何か違う…何したんだ…！もう、ヤバいっ…」
「えーっ？ツバつけただけ…そんなに気持ちイイの？」
「きっ…うあぁぁっ！気持ち良すぎるっ…くぅっ…もう、ダメだっ…」
　再び肛門へ舌先を突き挿れられるなり、学は「あっ…あっ…」と娘のような声を出して腰を痙攣させ、さらに背中を丸めた。