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第6章 余韻から現実へ

「齋藤くん。咲良ちゃんを大事にした方がいいわよ。今までずっと築いてきた信頼関係。エッチの経験、大事にしないと。言っておくけど、わたしとエッチしたかったら、わたしは夫から了解を得ているからできるけど、あなたは咲良ちゃんの了解を得ていないのよ。もし、わたしとのことがバレたら、せっかくの信頼関係が壊れてしまうわ。あなたが咲良ちゃんに持っている不満は、あなた次第で解決できる。わたしも夫との関係を見直そうと思うわ。せっかく縁があって結婚したのだから。あなたも同じ。咲良ちゃんとの関係を大事にしないと」

と、オリザが齋藤を諭すように話した。齋藤も納得したのか、頷いた。

「あ、次を右にお願いします」

齋藤が言った。交差点。右折レーンにオリザのミニクーパーは車線を変更し、矢印信号に合わせて右折した。

「そこのファミリーマートで下ろしてください」

齋藤が指示したファミリーマートの駐車場に車を入れると、駐車スペースに車を止めた。齋藤は車のドアを開けると、運転席から降りたオリザに、

「今日はありがとうございました」

と、話した。オリザも頷いて、

「こちらこそ。咲良ちゃんを大事にするのよ」

と、まるで母親のように齋藤を諭すオリザと、その言葉を聞いて素直に齋藤は頷いた。