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第1章 痴漢されて

痴漢にいつも遭うと書き込んでいる女性から、

「○○線？女性専用車両に乗らないと間違いなく痴漢に遭う路線ですよ。遭ったことないんですか？」

と、明らか小馬鹿にしたような書き込みがあったかと思うと、

「それは不幸中の幸いというものですよ。あんなに痴漢が多い○○線で痴漢に遭わないなんて。何時ごろのどこ行きに乗っているんですか？」

と、明らか、興味津々で、話しかけてくる男性。オリザが、

「いつも×時××分、▶▶駅から◇◇方面行きに乗るのですが、遭わないですよ」

と、最寄り駅ではないけど、比較的近い駅を書き込んだ。その路線でその駅からその方面への電車は短い社会人時代に乗っていたことがある路線。しかも、毎回のように痴漢に遭っていた路線。だから、女性が「間違いなく痴漢に遭う路線」という言葉は間違いではないし、男性の「あんなに痴漢が多い」というのも事実。

他の男性からも、

「×時××分だと、死ぬほど混んでいるし、痴漢の出没も多いですよ。気をつけてください」

とか、

「何両目ですか？そんな安全地帯があるなんて、知りたいわ」

と、女性らしい書き方だけど、いわゆるネカマ？という感じの書き込み。女性なのに、何両目とか聞くかしら？オリザの居場所を探るような感じ。オリザは乗る予定の場所を書き込んだ。

「意外にそんなところが安全なのですね」

と、返したネカマっぽい女性。

「え？その辺りは危険ですよ。今まで無事だということですが、気をつけてください」

と、書き込む男性。オリザには、なんとなく、「気をつけてください」が「狙っていますよ」と読み取れた。

そのSNSにはトップ画として、画像がアップできた。そこに友達限定設定で顔写真をアップしたオリザ。

書き込みでやり取りをしたユーザーからどんどん申請が来た。どんどん承認していき、10人ほどにはすぐになった。

全員が、その書き込みコーナーで絡んだ面々。それらのユーザーからトップ画に反応して、メッセージを送ってきていた。

「美人さんですね。これで痴漢に遭わないなんて奇跡です」

「20歳代半ばくらいですか？綺麗な顔立ちで○○線沿線は美人さんが多いけど、そのなかでも目立ちそうですが、あんな時間に乗っていて大丈夫なんですね。心配です」

とか、そう言う内容でした。