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第1章 痴漢されて

メッセージでのやり取りを重ねると、

「×時××分の▶▶駅の◇◇方面行きですよね。何両目の何枚目の扉に乗っているんですか？僕がガードしますよ」

とか、ガード？痴漢をするの間違いじゃないの？とオリザは、読みながら笑った。

「いつも決まっているわけではないですが、◆両目が多いです」

と、返すと、

「◆両目ですか。結構、危険な位置ですよ。気をつけてください。もし、良ければ、僕がガードしますよ」

と、メッセージが来たが、

「朝の用意の時間があるから、×時××分が多いだけで、前後することもあるし、急な予定で乗らない日もあるので」

と、返信すると、

「そうですか。今日は乗るよって日は、メッセージで『乗るよ』だけでいいんで、メッセージください」

と、返って来た。思いっきり狙われているわってオリザは思った。その男は、プロフィールやトップ画。それに日記や写真なども頻繁にアップしていて、○○線の路線に住んでいることと、大学生らしく、大学名からしても、キャンパスに通学する先は、◇◇方面で、▶▶駅を通るルート。

22歳で就活も無事に終え、内定式の写真をアップしていた。アメリカンフットボール部らしく、過去の試合の内容をSNSにもアップしていた。インスタグラムも始めたと、インスタグラムのアドレスを送ってきたり、何度もメッセージを送ってきたり、気にしているというか、気に入っている感じはオリザも感じていた。

10歳差ということもあって、弟とかそういう存在よりもさらに若い。10歳違うと、一世代違う。

写真で見る限り、結構、イケメン。住んでいるマンションの写真もアップしていたが、学生の身分で都内の1LDKに一人暮らしとか、愛車と言ってミニクーパーをアップして、ドライブに行ったという写真もアップ。ボンボンオーラが出ている感じはあった。

ただ、気になるのは、彼女らしい女性がいないこと。有名大学の学生で、高級賃貸マンションに住んで、ミニクーパーを乗り回すイケメン。身長も高いし、体格もいい感じで貧相さもない。

SNSのメッセージでその辺りをオリザが聞くと、

「同年代の女子は興味がわかない。ガキっぽいし、表面しか見ていない感じが嫌いなんです。織姫（オリザのHN）さんみたいな大人の女性は、表面じゃなくて中身を見てくれるじゃないですか」

と、返してきた。