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第2章 初めての浮気

家族で住むためにオリザの夫が建てた家。郊外の新興住宅地で60坪平均の街並み。オリザの家は、その2区画。120坪ほど。そこに平屋の家が建っている。大手ハウスメーカーの安定のデザイン。グレー系の重厚感のある外壁に黒い大屋根。夏の暑さに配慮した小さな窓が特徴的なデザイン。LDKは30畳。夫婦の寝室は10畳。応接室も10畳。仏間は8畳。書斎は3畳。家事室というかオリザの着替え用のクローゼットが3畳ほどと、そして、洗面室に脱衣室、バスルームにトイレという間取り。

玄関も広く、横にはシューズクローゼットにお出かけ用のコートなどが掛かっているファミリークローゼット。齋藤からコートを受け取って、オリザがハンガーに掛けた。まるで、ご主人様のご帰宅という雰囲気。

ホワイト・ベージュ系のフローリング。光沢感は控えめで、木肌の感触があるフローリング。オリザがスリッパを出して、齋藤に勧めた。フローリングの色に合わせたのか、ホワイト・ベージュ系が好きなのか、ランチェッティのスリッパもベージュ色。

落ち着いた色彩のクロス。建具の色もホワイト系の木目柄。もう少しホワイトに振ると甘く可愛すぎる感じになりそうだが、光沢感が控えめの木目がしっかりした建材とグレージュ系の色彩が多く、甘くなく、可愛い感じも控えめで、落ち着いた色彩で、上品な室内。

小さな窓でも挿し込む日射が十分に室内を明るく、暑苦しさのない雰囲気。通されたのは、LDK。ダイニングテーブルがあり、その向こうにローテーブルにソファ、そして75インチの大型テレビ。

カウンターキッチンがあって、そこからでも庭の景色と、テレビの画面が見えるように設計されている。まるで、オリザのための家。キッチンの横にはパントリーに、家事室というかオリザの着替える部屋。そこから勝手口と脱衣所、洗面室。その辺りは、バックルームという位置づけ。

オリザは齋藤をリビングダイニングルームに誘うと、

「シャワーを浴びるから、ソファか椅子に座って、待っていて」

と、話した。齋藤が、

「どうせなら、一緒に」

と、言ったが、首を横に振って、

「痴漢に触られて気持ち悪いの。今回は1人にして」

と、オリザが齋藤を見た。齋藤は残念そうに頷いて、ソファに腰掛けた。結構、反発の強いソファ。齋藤の110キロでも、沈み込まない高反発。