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欲求不満人妻・淫らに犯されて快楽堕ち。オリザ32歳の痴戯痴態
第6章 余韻から現実へ
齋藤の服装でも入店できる店となると、ホテルなどは難しい。やはりファミリーレストランなどが妥当かもしれない。若い男の子だと、肉料理がいいかしら?と考えたオリザがチョイスしたのは、叙々苑代官山店。

玄関ホールで靴を履いた齋藤に、

「私は勝手口から出るから、その扉の前で待っていて」

と、オリザは伝えた。齋藤は天井まである大きく重そうな天然木の一枚物の扉を開けようとしたが、自動で開いた。思い出して見ると、オリザと一緒に入るときも、オリザは手をかざしただけだった。齋藤が出て外を見ると、都心とは思えない風景。緑あふれる庭。200坪ほどの敷地に80坪ほどの建坪のブリティッシュスタイルの家。庭もイングリッシュガーデン。ラベンダーにバラなどが咲き誇り、その芳香が漂う庭。

思い出せば、家の中の調度も黒光りするような丸味のある家具。フローリングもヘリボーン張りで、海外の家のようだと思ったが、そう、全ては英国調。

エンジン音がして、玄関の前に横付けされたのは、ミニクーパー。オリザが、

「狭いけど、乗って」

と、声を掛けた。狭いも何も、たしかに齋藤は184センチあるが、英国人もそれくらいはある人は日本人より多いわけで、ミニクーパーも十分に乗れる大きさはあるのだが、オリザの言い方ではそうなるようだった。齋藤がドアを開けて乗ってシートベルトをすると、

「行くわよ」

と、オリザがアクセルを踏み、シフトを操作した。マニュアルトランスミッションの車を知らない齋藤は、不思議な車だと思いながら乗っていた。車は旧山手通りに入り、叙々苑が見えると左折してコインパーキングに駐車。

「焼肉とかでもいいかしら?」

「え?高くないですか?」

「それくらい出すわよ」

車で走ること数分。その間にできた会話はわずかなこれだけの言葉だけ。四人掛けのテーブルに案内されて、店員が勧めるランチメニューではなく、アラカルトから特選カルビや特選肩ロース、ハラミ、海鮮盛り合わせ、サラダ、石焼ビビンバなどを次々にオリザが注文していった。

「以上でお願い」

と、締めくくった。金額がいくらなのか、齋藤にわからない。そもそも、叙々苑は名前こそ知っているが、齋藤は、利用したことはなかった。
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