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裏切りの騎士は、愛で私を救う
第1章 塔の上

「これで……いいでしょう」
カイルの声は低く、冷静を装っていた。
だが、その指先には確かな怒りがこもっていた。
だが——
「……甘いな」
ヴァルドの嗤う声が、また空気を裂いた。
「それじゃ、満足しねえ」
椅子に座ったまま、ヴァルドは顎をしゃくって告げる。
「孕ませろよ。皇女を。証拠を残さなきゃ、意味がないだろ?」
ぞわり、と背筋に冷たいものが走る。
「……!」
私は無意識にカイルの腕を掴んだ。
彼の体が一瞬強張る。
「やっぱり……俺が代わってやろうか?」
ヴァルドが立ち上がる。目がぎらついている。
もう、逃げられない。演技では終わらせてもらえない。
でも——
「待ってください」
カイルの声は低く、冷静を装っていた。
だが、その指先には確かな怒りがこもっていた。
だが——
「……甘いな」
ヴァルドの嗤う声が、また空気を裂いた。
「それじゃ、満足しねえ」
椅子に座ったまま、ヴァルドは顎をしゃくって告げる。
「孕ませろよ。皇女を。証拠を残さなきゃ、意味がないだろ?」
ぞわり、と背筋に冷たいものが走る。
「……!」
私は無意識にカイルの腕を掴んだ。
彼の体が一瞬強張る。
「やっぱり……俺が代わってやろうか?」
ヴァルドが立ち上がる。目がぎらついている。
もう、逃げられない。演技では終わらせてもらえない。
でも——
「待ってください」

