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裏切りの騎士は、愛で私を救う
第1章 塔の上

「はっ、もういい!」
背後でヴァルドの苛立った声が響く。
「どうせ、この女はおまえのものだよ!」
扉が音を立てて閉まり、足音が遠ざかっていく。
——終わった。
終わったのだ。生き延びたのだ。
その瞬間、カイルがもう一度、私を強く抱きしめてきた。
「……助かって……よかった……」
その声に、私は顔を上げた。
カイルの瞳から、一筋の涙が零れていた。
「カイル……」
私はその涙を、指先でそっとぬぐった。
「すみません……あなたの純潔を奪ってしまって。あなたの婚姻の証を……俺なんかが奪ってしまって……」
その言葉に、私は力強く、首を横に振った。
「違うの、カイル。奪われたんじゃない……私は、自分から、あなたに差し出したの」
目が合った。
背後でヴァルドの苛立った声が響く。
「どうせ、この女はおまえのものだよ!」
扉が音を立てて閉まり、足音が遠ざかっていく。
——終わった。
終わったのだ。生き延びたのだ。
その瞬間、カイルがもう一度、私を強く抱きしめてきた。
「……助かって……よかった……」
その声に、私は顔を上げた。
カイルの瞳から、一筋の涙が零れていた。
「カイル……」
私はその涙を、指先でそっとぬぐった。
「すみません……あなたの純潔を奪ってしまって。あなたの婚姻の証を……俺なんかが奪ってしまって……」
その言葉に、私は力強く、首を横に振った。
「違うの、カイル。奪われたんじゃない……私は、自分から、あなたに差し出したの」
目が合った。

