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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第25章 クリスマス・イブ 〜慟哭〜
12月の中頃、期末テストが返ってきた。
陽翔の学年順位は7位まで向上した。
「ほんとに誰に似たのかしら…」
母は満面の笑みで、テストの点を見返している。
【誰に似たじゃなくて、誰のおかげかだろ…】
叔母が来なくなってから、母は叔母の話をしなくなった。
「お父さんにLINEしとかなきゃ…あ、仕事納めが28日だって……また喜ぶわね……」
「ふーん…」
陽翔も叔母が居なくなってから、母に対して無愛想になっていた。
それを気にする母でなくて助かっている。
父の単身赴任はもう長い。
確か赴任先で出世して、もうずっと戻って来れないみたいな話を聞いたような。
現状、陽翔も栞と同じ美大を目指していることになる。
そうなると、一人暮らしになるだろう。
母は父の元に行くのだろうか?
【まぁ、受かればの話だけどね…】
「そうだ…クリスマスプレゼントは何がいい?…こんなに成績いいんだもん、お父さんにお強請りしたら買ってくれるわよ…」
「え?…あぁ、そうだね…」
季節はクリスマス間近…
叔母が家庭教師を続けていたら…
また叔母のことを考えてしまう。
「画材がいい…油絵の絵の具高いんだよ…」
「まぁ…いいんじゃない…どれがいいか、ネットとかに出てないの?……」
母は本気で息子が美大を目指してると思っているみたいだ。
上機嫌で父にLINEを送っていた。
「あ、そうだ…今年のクリスマスは出かけるから…」
「あら?…お友達?…」
由紀子は一瞬、妹のことが頭を過った。
でも、顔に出すことなく息子に話しかける。
普通、クリスマスに息子が出かけるとなれば、彼女?となるだろう。
【結奈なわけない…。結奈なら陽翔はこんなに暗くないんだから…】
「うん、まぁ…そんなとこ…」
「どっち?…24日?…25日?……」
「24……。じゃ、上で勉強するから…」
きっと、彼女なんてまだ作る気はないんだと由紀子は思った。
【ごめんね…陽翔…お母さんが……】
陽翔を傷つけた罪悪感が頭をもたげてくる。
でも、息子に直接謝ることはできなかった。
「陽翔…今夜はお鍋だからね……」
声をかけると、既にリビングの扉は閉じていた。

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