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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第25章 クリスマス・イブ 〜慟哭〜
母と二人だけで鍋を食べる。
いつだったか…健人が手伝いに来てくれてリビングの模様替えをした。
ダイニングテーブルとテレビの間にあったロングソファは壁際に追いやれた。
おかげで母と向かい合いながらも、リビングのテレビが視えるようになった。
会話が少なくて済むのはありがたかった。
それでも、母は話かけてくる。
「ねぇ、24日は遅くなるの?…晩ごはんはうちで食べれそう?……」
「どうだろ?…内容はこれからだから…」
テレビの方を見ながら答える。
実際、デートの中身は先輩からの連絡待ちなんだから答えようもない。
「そっか…陽翔も高校生だもんね…おうちでクリスマスなんて中学までか…なんだか寂しいわ……」
そんなものだろうと、思っているとポケットのスマホが短く震えた。
陽翔は箸を置いてスマホを確認する。
「あ、ご馳走さま…美味しかったよ…」
器に残った鍋の具材をかき込むように食べると、そそくさと部屋に戻っていった。
スマホには栞からのメッセージが残っていた。
クリスマスデートの内容かと思っていたが、急遽明日の放課後アトリエが使えることになったとの知らせだった。
【なんだ、そっちのことか…】
一瞬、がっかりしたが、すぐに本来の目的を思い出した。
【違うな…大事なのはこっちだ…】
先輩に油絵のことを教わり出したのは文化祭が終わってすぐ。
それから約2カ月。
先輩の身体をインプットする為にセックスばかりしてきたわけじゃなかった。
水彩画と違い油絵は制作期間が圧倒的に長い。
ましてやあの絵は学校や家で描けるものではない。
あのアトリエもいつでも使えるわけでもない。
そう考えると、今すぐ描き始めても卒業式に間に合うか不安だった。
不意にスマホが着信を告げた。
先輩のことを考えながら握っていたスマホをすぐにタップすると、聞こえてきたのは父親の声だった。
「陽翔、今大丈夫か?」
「あ、うん…」
「母さんから連絡あったぞ…今回のテストも良かったそうじゃないか…」
「まぁまぁだよ…」
男同士、そう会話が弾むものじゃない。
父はクリスマスプレゼントのリクエストを聞き出すと…
「お前、本当に美大に行きたいのか?…美大に行って将来何になるつもりなんだ?…」
陽翔はすぐに答えられなかった。

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