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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第25章 クリスマス・イブ 〜慟哭〜

そして、あっという間に次の木曜日を迎える。
クリスマス・イブは週末の日曜日だった。

その日は描く前に先輩とセックスをした。
気分を高揚させて挑みたかった。
だから、スキンを抜いて栞にぶっかけるとすぐにキャンバスに向かった。

ただ、やはりこうだという構図を見つけられないでいた。

背景のイメージはできている。
初めてここで目にした先輩の姿…。
あの天窓から差し込む光の中に居る先輩。
でも、制服姿の先輩を描きたいんじゃない。

【僕の…僕だけの栞…】

光の中に居る栞の姿はまだ見えてこなかった。

それでも幾重にも色を重ねていかなければならない。
差し込む光の前に、アトリエの背景を塗り込んでいく。
それも地道な作業だった。
先が描きたくても、必要以上に塗り重ねることさえできない。
苛立ちに震えると、先輩が頬に手をあて振り向かせる。
重なる唇に優しさを感じた。

「今日はこれ以上は無理だよ…苛々しちゃだめ…絵に出ちゃうから…私にぶつけて…しよ?…」

陽翔は泣きそうになりながら…栞をベッドに押し倒していった。

―――――――――――――――


由紀子は陽翔が森宮栞のアトリエに通っている事など知る由もなかった。

学校の授業が終わると、美術部で絵を描き、その後帰宅する。
結奈が家庭教師を始める前は確かに反抗期だと思っていた。
だが、結奈の存在が陽翔を明るくし、母子の会話も増えていたのに…また逆戻り。
夫が不在の家で、母子家庭のような状況でも、息子の為に栄養のある、少しでも美味しい食事をと準備していく。

キッチンで夕食の仕度を進めていると、ふとスマホがLINEの着信を伝えた。
途端に由紀子の顔が綻んでいく。

【もしかして……】

手にしたスマホのディスプレイには期待通りの名前があり、すぐに開いた。

〘由紀子…負けたぁ…。なぁ、クリスマス・イブって陽翔は居るの?〙

陽翔は出かけると言っていた。
でも、時間は分からない。
健人が試合に負けてしまったのは残念と思うけど、由紀子はときめいていた。

〘残念だったね。お疲れさま。陽翔は出かけると言ってたけど、時間がわからなくて…〙

【また女子会と嘘をついてあのホテルに……】

〘OK!明日学校で聞いてみる〙

〘わかりました〙

それだけで、健人からのメッセージは終わりだった。


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