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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第25章 クリスマス・イブ 〜慟哭〜
「そんなに引っ張ったら危ないって…」
「大丈夫…ねぇ、何か欲しい物ないの?……」
先輩はすごくご機嫌に思えた。
陽翔だって、こんなに喜んでくれてうれしかった。
本当にデートを楽しんでる。
「あ、画材…ここ画材を置いてる店ないかな…」
急に先輩は足を止めて振り向いた。
「だめ…絵は今日は無し…。うーん、そうだなぁ…あ、ちょっと来て……」
真顔になった顔を笑顔に戻して、先輩は手を繋ぎ直して歩き出した。
メンズカジュアルのショップに入っていく。
「陽翔くんて顔小さいから…似合うと思うんだよね……」
先輩はキョロキョロ見渡してキャップの棚を見つけると、また引っ張られていく。
両手に一つずつ、見比べては違うキャップを手に取っていた。
「好きな色とかある?……」
「うーん、あんまりこだわりはないかな…」
「そうなんだ…陽翔くん、青とか似合うと思うけどな……」
「そうかな…」
そう言葉を返すと、ポスっとキャップを被せられる。
先輩がまじまじと見つめていて、ちょっと視線を外してしまう。
「うん、やっぱり青が似合うよ…欲しい物ないならこれなんてどぉ?……」
近くにあった鏡の前に連れて行かれた。
ダークブルーのキャップで白い英文字とエンブレムが刺繍されていて、なんかカッコいいデザインだった。
「ぁ、なんかいいかも…」
【他の服にも併せ易いかな…】
「ほんとに気に入った?…違う物でもいいんだよ……」
「ううん、栞が似合うって言ってくれたから、これがいい…」
「じゃ、これを私からのクリスマスプレゼントにします……」
「うん、ありがとう…」
陽翔はキャップを取って値段を確認しようとすると、栞が先に取ってしまう。
レジに向かう後を追いかける。
「陽翔くんは外で待ってて……」
【もしかして予算オーバー?…だったら…】
「栞…」
「お願い、外で待ってて……」
なんか何も言っちゃいけない気がして…陽翔は頷いた。
【そんなお姉さんみたいな顔して…】
その先輩の表情に、陽翔は不意に叔母のことを思い出していた。
【結奈さんも、デパートで買い物してる時、あんなふうに笑ってたっけ…】
「お待たせ…はい、メリークリスマス……」
「ありがとう…僕も大事にするから…」
袋に入ったキャップを受け取ると、今度は陽翔から手を繋いでいった。

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