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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第25章 クリスマス・イブ 〜慟哭〜
今どんな顔をしてるのか?
栞に見せてはいけないと、手を繋いだまま少し前を歩いていった。
【ほんとに僕はだめだな…こんなに良くしてくれる先輩と一瞬なのに…。もう結奈さんのことは諦めなきゃいけないのに…】
「ねぇ、陽翔くん……」
先輩の声に足を止めて振り向いた。
笑顔で…
「なに?…」
【なんでそんな作り笑い……そっか、あの女性(ひと)のことを考えてるのね……。そんな顔をしないでいいの……でもね、私のことしか考えられないようにしてみせるから……】
栞は本心に蓋をして上手に微笑む。
「お昼、何食べよっか?……」
「うん、ちょっと調べてきたんだよ…このモールの中に人気のハンバーガーがあるんだって…お嬢様はハンバーガーは好き?…」
「だから…ファストフードも好きって言ってるでしょ……いいよ、そこにしよ……」
【よかった…栞は楽しそうだ…。そうだよ…僕も今日のデートが終わるまで栞と一緒に楽しむんだ…】
「こっちだよ…」
繋いだ手は指を絡め合う。
エスカレーターでも、先輩を前にして手を離すことはなかった。
「うわ、デカっ…」
運ばれてきたハンバーガーはチェーン店のものよりひと回り以上大きかった。
でも、これは確かに美味しそうだった。
先輩は真ん中に突き刺してある串を外すことなく、ナイフ、フォークで上品に食べていく。
陽翔はバンズを潰すようにしてかぶりついていった。
「美味し、なんか肉肉しいっ…」
「ほんとに美味しいね…ふふ…ソースついてるよ……」
先輩が口の端についたソースを指で拭って舐めてくれる。
陽翔は照れながらも、その行為がうれしくて、ようやく素の笑顔を浮かべていた。
「栞はハンバーガーも上品に食べるんだね…」
「だって、陽翔くんみたいに大きな口開けれないよ……」
「そりゃそうか…」
頬張る陽翔が先に食べ終わる。
栞はマイペースで小さくきったバーガーを口に運ぶ。
陽翔はそれをずっと眺めてられると思った。

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