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銀の木洩れ日亭へようこそ
第1章 君を拾う
淀みなく答えながら少女は少し背伸びをして棚からカップを取り出し、乳鉢の中のもったりとした緑色のものをそれに移した。
火にかけられた鍋からすくって湯を注ぐ。部屋に青臭い植物の香りが一際強くなった。
「飲むといい。楽になる」
少女はベッドの枕元に浅く腰掛け、ジークの頭を抱えると、その下に自らの片膝を差し入れた。
「な、何だ急に!?だ、だいたい何なんだその薬??」
突然頬にふれた太腿の柔らかい感触に、ジークはひどく動揺して上ずった声を挙げる。
「ええい、うるさい。自分で起き上がれないくせに。ムーベルタスの葉だ。とか言ってもどうせわかんないだろ。早く飲め」
少女はジークの唇にカップをぐいと寄せた。
何かわからないものを口にする程安心してはいない。
どぎまぎしながらもジークが頑なに唇を引き結んでいると、少女は軽く息をつき、一口こくりと飲み下して見せた。
「…とりあえず、不味いことだけは保証するよ」
少女は眉根を寄せながら、再びジークの唇にカップの縁を触れた。
火にかけられた鍋からすくって湯を注ぐ。部屋に青臭い植物の香りが一際強くなった。
「飲むといい。楽になる」
少女はベッドの枕元に浅く腰掛け、ジークの頭を抱えると、その下に自らの片膝を差し入れた。
「な、何だ急に!?だ、だいたい何なんだその薬??」
突然頬にふれた太腿の柔らかい感触に、ジークはひどく動揺して上ずった声を挙げる。
「ええい、うるさい。自分で起き上がれないくせに。ムーベルタスの葉だ。とか言ってもどうせわかんないだろ。早く飲め」
少女はジークの唇にカップをぐいと寄せた。
何かわからないものを口にする程安心してはいない。
どぎまぎしながらもジークが頑なに唇を引き結んでいると、少女は軽く息をつき、一口こくりと飲み下して見せた。
「…とりあえず、不味いことだけは保証するよ」
少女は眉根を寄せながら、再びジークの唇にカップの縁を触れた。