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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第3章 偶然という運命の悪戯
そのときだった。芳華が小さな声を上げた。
「大変」
「ん? 何だ」
余計なお喋りをしている場合ではなかった。法明の綺麗な顔、左頬にかすり傷程度の怪我があるのに気づいたのだ。芳華を庇って道を転がった際にできてしまったのだろう。
「ごめんなさい、私ったら、少しも気づかなくて」
「あ、これか。こんなのはかすり傷だし、舐めときゃ治るさ」
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