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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第3章 偶然という運命の悪戯
 私ったら、何でこんなときにそんなことを思い出すの! 芳華は狼狽えて法明の深い瞳から眼を逸らした。
 結局、法明はそのまま芳華の住まいに居候することになった。
 その夜、芳華は出来る限りのご馳走をこしらえた。生命を救ってくれた恩人への精一杯のもてなしのつもりだった。その割には蒸し鶏と粥、もやしと青菜の炒め物とたいしたものではなかったけれど、今の芳華の暮らしではそれが最高のご馳走だった。
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