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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第4章 求婚と蜜月
 芳華は浅い眠りの中で夢を見た。誰かが法明を連れ去ろうとしている怖い夢だった。芳華は泣きじゃくりながら法明に取り縋ろうとするが、彼には手が届かない。法明は哀しげな瞳で芳華を見つめ、抵抗もせずに何ものかに連れられて去っていくのだ。
―法明っ、行かないで。
 芳華が涙混じりの声で叫んでも、法明は哀しげに微笑んでいるだけだ。
「法明、お願い、私を一人にしないで」
 救いを乞うかのように差しのべた手を誰かが力強く握り返してくれる。
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