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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第5章 別離と再会
凜鈴に身体を磨かれた後は、やはり薔薇の香油をふんだんに膚にすり込まれる。その上から白い夜着を着せかけられ、同色の帯は前で結んで長く垂らす。洗い上げたばかりの長い黒髪は結わずに横に流して一つに纏めた。
夜伽なので、化粧はあまり濃くせずに、淡く仕上げ、紅だけは椿のような鮮烈な紅を乗せる。全体的におとなしめの装いで唇だけが鮮やかに染まっている様は何かかえって淫猥に見え、芳華は鏡に映る自分の姿から顔を背けた。