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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第9章 後宮艶夜*スキャンダル Prologue~幼い記憶~
「陛下、大事ございませんか?」
 控えめに問う美しい面には濃い愁いの表情が浮かび上がっている。自分はこんなにも紫蘭に心配をかけていると思う時、鵬貞は自分が男として情けなかった。
「大事ない。少し空気が冷たいようだね」
 紫蘭は綺麗な眉をひそめたまま言った。
「牡丹はまだまだ咲いております。今日のところはお部屋に戻りましょう。お身体に障ってはなりません」
「そうだな、明日、またここに来るとしよう」
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