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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第10章 後宮艶夜*スキャンダル  深き眠りの底で~浄心院での日々~
 しかし、あの日、牡丹園にいったのは紫蘭の意思ではなく、他ならぬ皇帝の強い意向だったのだ。むしろ、紫蘭は皇帝を諫めた方であった。
 皇帝は病むこと数日で亡くなった。あまりにも呆気ない十五歳の若すぎる死であった。紫蘭は何度皇帝が病臥している星辰殿に赴いても、皇太后によって阻まれ皇帝とは逢えなかった。懇意にしている皇太后付きの女官がひそかに後で教えてくれたところによると、皇帝は熱にうかされながら幾度も紫蘭を呼んだそうだ。
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