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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第10章 後宮艶夜*スキャンダル 深き眠りの底で~浄心院での日々~
―皇后を、紫蘭を呼んでくれ。紫蘭に逢いたい。
が、側にいる皇太后がそれを許すはずもなかった。その間に皇帝は崩御したのだ。
―皇帝陛下が亡くなられたのは皇后さまのせいだ。
悪意ある噂は後宮でも朝廷でも絶えることはなかった。あの牡丹園で美しい花を共に愛でた日、皇帝は十五歳、紫蘭は十六歳だった。病弱な皇帝とは実のところ、まだ夫婦の交わりも果たしていないままだった。