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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第10章 後宮艶夜*スキャンダル  深き眠りの底で~浄心院での日々~
 想像しただけで、身体が熱を持ってくる。自分はどうかしている。時が経てば、こんな馬鹿げた欲望も嘘のように消えるだろうか。頭から冷たい水を被れば、自分でも持て余すほどのこの身体の熱を鎮められるだろうか。
 彼は思いつめたような瞳で牡丹を見つめてから、何かを振り切るように大股でその場を後にした。
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