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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
接近~二つの心~
そろそろ春というよりは初夏の気配の漂い始めた庭に、涼やかな歌声が響き渡る。
「この子はなあに、この子は良い子。この子は私の宝物。金よりも銀よりも輝く宝石よりも、この子は私の宝物。お前はどこからやって来た、神さまが私にこの子を下された~」
ふとパチパチとしじまを控えめな拍手が破った。紫蘭は眼を見開き、牡丹の花の海の中、ゆっくりとこちらに向かってくる男を見つめた。
そろそろ春というよりは初夏の気配の漂い始めた庭に、涼やかな歌声が響き渡る。
「この子はなあに、この子は良い子。この子は私の宝物。金よりも銀よりも輝く宝石よりも、この子は私の宝物。お前はどこからやって来た、神さまが私にこの子を下された~」
ふとパチパチとしじまを控えめな拍手が破った。紫蘭は眼を見開き、牡丹の花の海の中、ゆっくりとこちらに向かってくる男を見つめた。