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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第13章 後宮艶夜*スキャンダル 嫉妬~心に巣喰う魔物~
子どもの顔を見た瞬間、紫蘭はハッとした。黒檀のような艶やかな髪と同じ色の瞳。整った面立ちは紫蘭の良人に生き写しであった。これほど似ていては訊ねずとも、この子が誰かは判るというものだ。
紫蘭は子どもを怖がらせないようにと自分もしゃがみ込み、彼と同じ眼線の高さになった。
「あなたは鵬雄さまね?」
英鵬雄、徳治帝の第一皇子である。生母はむろん、あの苑貴妃であった。