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第15章 スキャンダル～あとがき～

　事実は小説より奇なりといいますが、まさにそれを地でいく歴史的な事件です。そういった歴史的なエピソードに興味を持ったことが今の私を形作る原点になりました。
　歴史には掘り起こせば、まだまだ興味深いエピソードがたくさんあります。そういった逸話を掘り起こし、光を当て自分なりの解釈で再現する。遠い歴史の中で生きた人々の声なき声を掬い上げて作品として甦らせる、それが時代・歴史小説だと私は考えています。
　これからも自分なりに精進してよりよい作品作りをに取り組み、それを読んで下さる方に少しでも愉しんでいただけましたら、こんなに嬉しいことはありません。
　拙い作品を最後までご覧いただき、ありがとうございました。
　ちなみに近衛天皇と二条天皇の父である後白河法皇は異母兄弟になります、なので、二条天皇は近衛天皇とはさほど歳の違わない甥と叔父になりますね。つまり、多子は叔父、甥と二度結婚したということになります。
　今とは考え方もまったく異なる時代です。（今でも最初は叔父さんと次はその甥と続けて結婚したら、かなりセンセーショナルでしょうが）本当に運命に翻弄された女性というイメージですが、その運命に逆らえなかったのであれば、せめて二度目の良人となった二条天皇とは心の通い合った夫婦であって欲しいと私は勝手に願うのですが―。
　そんな想いが紫蘭の話に結びつきました。

2014/06/14