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DIABOLIK LOVERS ~Another~
第2章 生贄の価値
「逆巻君、先輩に対しての言葉遣いが悪いですねぇ」

木野が、スバルの相手になった。
お互いに至近距離で睨み合うが、表情が真逆だった。
木野の表情は、あくまで笑顔のままだ。

「俺達のアイドルを横取りしに来た感じ? だったら無理なお願いだぜ。灰川はこれから俺達とラブラブするんだよ。後輩だったら、空気読んで先輩を立ててくんない?」
「はっ、何が俺達のアイドルだ? どう見たって嫌がってるじゃねぇか。お前らは邪魔でうぜぇんだよ、怪我したくねぇならさっさと失せろ」

火花が散る、言葉の応酬。
両者、全く引かない。引く気配すらない。

「うぜぇのはどっちだよ、クソガキ」

黙って見ていた持田も、ミズキを離して睨み合いに混ざった。

「……お前ら、よっぽど痛てぇ目に遭いてぇんだな?」

スバルの声が、低くなる。

「ああ? もっぺん言ってみな、クソガキ」
「口の聞き方が悪い後輩ですねぇ、逆巻スバル君? 先輩を怒らせちゃうと、後悔するよー?」
「……もうやめて」

ふと、3人の張り詰めた空気が弛緩した。
ミズキの震える声で発した一言が、一触即発だった不穏な空気をがらりと変えたのだ。

「……2人とも、もう私に関わらないで」

ミズキは震える体を叱咤し、木野が放ったプリントの束を拾い上げて胸に抱く。
そのまま2人を掻き分け、スバルの傍へ駆け寄った。
彼女を庇うように、スバルが前に立つ。

「灰川……やっぱり、お前は逆巻兄弟の――」
「何も知らないくせに、知ったような事言わないでっ!」

持田の言葉を遮って、精一杯の感情を荒々しくぶつける。
さすがの軽薄な2人も、ミズキの必死な声に意表を突かれた様子で目を見開いた。

「灰か、わ……?」

思わず、スバルの背中に縋り付く。
手も、体も、震えていた。
背中を一瞥し、スバルは改めて前の2人を見据えた。

「これで分かっただろ、さっさと消えやがれ」
「…………チッ、クソ野郎」
「あー残念。またな、灰川ー」

持田は不機嫌な顔で、木野も名残惜しそうに戻って行った。
階段を下る足音が徐々に小さくなり、やがて聞こえなくなった頃、ミズキの体の震えはようやく止まった。
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