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DIABOLIK LOVERS ~Another~
第2章 生贄の価値
カナト「ミズキってば、また絡まれてたんですね」

スバルに続き、カナトも校舎を後にする。

ライト「カナト君、ミズキちゃんはあの連中に絡まれてもなんだか嬉しそうだったよ?」
ミズキ「嬉しくなんかないよ! ……て、ライト見てたの?」
ライト「んふ。犯されそうになって心の底から焦るミズキちゃん、すっごく興奮したよ?」
ミズキ「私は助けてほしかったのに! ひどい!」
レイジ「ミズキ、それはライトに期待する時点で間違っていますよ」
カナト「僕もそう思います。テディもそうだよね?」

カナトはクマのぬいぐるみを抱き締め、問い掛ける。

アヤト「ミズキ! てめぇ、あんな奴らに気ぃ取られてんじゃねぇよ」

つかつかと大股でミズキに近寄ってくるのは、ライト、カナトと共に三つ子を成すアヤト。

ミズキ「取られてなんかない! アヤトまで私のせいにするの?」
アヤト「うっせぇ! 俺様以外のヤローに触られやがって。ライト、てめぇも勝手に触ってんじゃねぇよ!」
ライト「怖いなー、アヤト君は。ミズキちゃんは僕達皆の物なんだから、誰か一人の所有物ってわけにはいかないよ。ね、ミズキちゃん?」
カナト「どう考えても、いつもライトが一番ミズキにくっ付いてると思うけど」
レイジ「貴方達、騒がないで下さい。私はうるさいのが嫌いなんですよ」

呆れた様子で、レイジが全員を諌める。
このやり取りはいつもの事だ。
仲が良いのか、悪いのか。それが分からないのが逆巻兄弟なのだ。
その中心には、いつだってミズキが居た。
幼い頃から、ずっとそう。
物心ついた頃には、既に今現在の関係が成り立っていた。
餌として、話し相手として、ミズキはいつも兄弟達と一緒に居た。

シュウ「……お前が騒ぐから全然眠れなかったぞ」
ミズキ「シュウ。私、そんなにうるさかった?」
シュウ「イヤホン付けてる意味がないくらいだった。でも、まぁ……なかなか良い悲鳴だったけど」

フッと小さく笑うシュウに、ミズキは頬を膨らませる。

ミズキ「意地悪……」
シュウ「ダルいんだから、うるさくしてくれるな……お前は、俺達の傍に居るべきなんだ。あんな人間に身も心も横取りされるくらいなら……いっそ、監禁して家から出れなくしてやろうか」
ミズキ「な……」

シュウの冷たい笑みに、ミズキの背筋が凍り付いた。
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