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DIABOLIK LOVERS ~Another~
第1章 餌の少女
ヴァンパイアは、端的に言えば『生きる屍』。
血は通っているものの、手はとても冷たい。
ひんやりした指が、腰から背筋を伝って這い上がってくる。
「んあ…っ…!」
もどかしくも追い詰められるような感覚に、気弱な悲鳴にも似た声が漏れてしまう。
ククッ、とライトの喉が鳴った。
「んんー? どうしたのかな? もしかして、背中をなぞっただけで感じちゃったのかなぁ?」
「知らない、よ……っ」
「なら、どうして目が潤んできてるのかな? ねぇ?」
ライトの手が少女の顎を掴み、自分へと顔を向かせる。
ライトの目は全てを見透かしているかのようで、少女の心の奥底をざわつかせた。
落ち着かない様子で、少女は話を逸らそうとする。
「……ていうか、吸血するんじゃ――――」
「答えろよ」
低く、威圧するような声でライトは畳み掛けた。
「っ……」
「感じたのか感じなかったのか、それくらい言えるでしょ?」
しかし、脅かす声は一瞬で鳴りを潜め、再びいつもの声色に戻った。
どこか嘲笑を含んだ、艶のある声。
「……感じ…た」
目は合わせられないままだが、自分の体の反応を認めざるを得ない。
少女は完全にライトのペースに乗せられていた。
「んふっ、やっぱりね。背中っさぁ、自分では見えないから何をされるか分からなくて、それがドキドキして良いでしょ?」
「う、ん……」
「素直で結構。やっぱり君は、嘘や見栄が似合わない女の子だね」
「…………」
彼のペースに乗せられ、更にからかわれる。
自覚のない事を他人に指摘されると腹立たしさを感じるものだが、少女の胸中に有るのはそんな怒りの感情ではなく――――単純な、羞恥心。
「あんまり、恥ずかしい事言わないで……」
血は通っているものの、手はとても冷たい。
ひんやりした指が、腰から背筋を伝って這い上がってくる。
「んあ…っ…!」
もどかしくも追い詰められるような感覚に、気弱な悲鳴にも似た声が漏れてしまう。
ククッ、とライトの喉が鳴った。
「んんー? どうしたのかな? もしかして、背中をなぞっただけで感じちゃったのかなぁ?」
「知らない、よ……っ」
「なら、どうして目が潤んできてるのかな? ねぇ?」
ライトの手が少女の顎を掴み、自分へと顔を向かせる。
ライトの目は全てを見透かしているかのようで、少女の心の奥底をざわつかせた。
落ち着かない様子で、少女は話を逸らそうとする。
「……ていうか、吸血するんじゃ――――」
「答えろよ」
低く、威圧するような声でライトは畳み掛けた。
「っ……」
「感じたのか感じなかったのか、それくらい言えるでしょ?」
しかし、脅かす声は一瞬で鳴りを潜め、再びいつもの声色に戻った。
どこか嘲笑を含んだ、艶のある声。
「……感じ…た」
目は合わせられないままだが、自分の体の反応を認めざるを得ない。
少女は完全にライトのペースに乗せられていた。
「んふっ、やっぱりね。背中っさぁ、自分では見えないから何をされるか分からなくて、それがドキドキして良いでしょ?」
「う、ん……」
「素直で結構。やっぱり君は、嘘や見栄が似合わない女の子だね」
「…………」
彼のペースに乗せられ、更にからかわれる。
自覚のない事を他人に指摘されると腹立たしさを感じるものだが、少女の胸中に有るのはそんな怒りの感情ではなく――――単純な、羞恥心。
「あんまり、恥ずかしい事言わないで……」