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石榴(ざくろ)の月~愛され求められ奪われて~
第8章 第二話・参

褥にうつ伏せになったお民の上に嘉門の逞しい身体が覆い被さっていた。狂ったように抵抗するお民を、嘉門は容易く扱った。お民の身体を独楽を回すように回して帯を解き、半ば引き裂くようにして着物や肌襦袢、身につけているものすべてをはぎ取った。
一切の行動に荒々しさはなく、ただ淡々と機械的に行っているだけに、余計に不気味というか怖かった。全裸にしたお民の両手を後ろ手のまま紅絹の紐を使って背中で一つに縛った。
顔を褥に押しつけられるという屈辱的な体勢になったお民の口には布がくわえさせてられいる。
―自害でもされては、たまらぬからな。
と、耳許で囁かれた。
石澤の屋敷にいる間も、ここまで屈辱的な恰好をさせられたことはない。人には言えぬような体勢や肢体をさせられたことはあっても、少なくとも縛られたり、猿轡をさせられたことは一度もなかったのだ。
嘉門の指先がお民の身体の隅々を丹念に辿ってゆく。お民の感じる部分を知り尽くした男の指に抗えず、快感に白い喉をのけぞらせ、声を洩らす。口に布を押し込まれているため、大きな声は出ないが、くぐもった声がかすかに洩れるのが余計に淫らに聞こえた。
自分で抑制しようとしても、できない。
声を洩らすまいとしても、先に身体の方が反応してしまう。しかも愛撫が濃密になればなるほど、お民の身体中の感覚はより鋭敏になり、ほんの少し身体のどこかに口づけられただけで、身を捩らせ、あえかな声を上げてしまう。
お民は絶望で気が狂いそうだった。この場で自分の生命を絶ってしまえるならば、どれほど幸せなことかと思った。
昔から、そうだった。嘉門の愛撫は執拗で、的確だ。女の身体のどこに触れればいちばん感じるかをよく知っていて、お民がわずかでも与えられた刺激によって反応を見せると。更に容赦なくその部分を責め立てる。
ぐったりと四肢を投げ出したお民の、それだけは反抗的な光を残した瞳を見下ろして、嘉門は肩をすくめてみせた。
まるでまな板の上の魚をひっくり返すようにいとも簡単に、お民の身体を仰向けにする。
それは何とも酷い光景だった。嘉門はお民の両脚を持つと、これ以上は開けないというほど大きく開脚させた。
男にあらゆる角度からからあられもない恰好を見下ろされ、お民は羞恥に頬を赤らめた。
一切の行動に荒々しさはなく、ただ淡々と機械的に行っているだけに、余計に不気味というか怖かった。全裸にしたお民の両手を後ろ手のまま紅絹の紐を使って背中で一つに縛った。
顔を褥に押しつけられるという屈辱的な体勢になったお民の口には布がくわえさせてられいる。
―自害でもされては、たまらぬからな。
と、耳許で囁かれた。
石澤の屋敷にいる間も、ここまで屈辱的な恰好をさせられたことはない。人には言えぬような体勢や肢体をさせられたことはあっても、少なくとも縛られたり、猿轡をさせられたことは一度もなかったのだ。
嘉門の指先がお民の身体の隅々を丹念に辿ってゆく。お民の感じる部分を知り尽くした男の指に抗えず、快感に白い喉をのけぞらせ、声を洩らす。口に布を押し込まれているため、大きな声は出ないが、くぐもった声がかすかに洩れるのが余計に淫らに聞こえた。
自分で抑制しようとしても、できない。
声を洩らすまいとしても、先に身体の方が反応してしまう。しかも愛撫が濃密になればなるほど、お民の身体中の感覚はより鋭敏になり、ほんの少し身体のどこかに口づけられただけで、身を捩らせ、あえかな声を上げてしまう。
お民は絶望で気が狂いそうだった。この場で自分の生命を絶ってしまえるならば、どれほど幸せなことかと思った。
昔から、そうだった。嘉門の愛撫は執拗で、的確だ。女の身体のどこに触れればいちばん感じるかをよく知っていて、お民がわずかでも与えられた刺激によって反応を見せると。更に容赦なくその部分を責め立てる。
ぐったりと四肢を投げ出したお民の、それだけは反抗的な光を残した瞳を見下ろして、嘉門は肩をすくめてみせた。
まるでまな板の上の魚をひっくり返すようにいとも簡単に、お民の身体を仰向けにする。
それは何とも酷い光景だった。嘉門はお民の両脚を持つと、これ以上は開けないというほど大きく開脚させた。
男にあらゆる角度からからあられもない恰好を見下ろされ、お民は羞恥に頬を赤らめた。

