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石榴(ざくろ)の月~愛され求められ奪われて~
第8章 第二話・参
 もっとも、
―良いなぁ。別嬪の嫁さんが手料理こしらえて待ってくれるなんて、羨ましい限りだぜ。
―あんなきれいで働き者のかみさんなら、俺だって、いそいそと帰るよ。
―そんなら、お前も早く嫁を貰えよ、五百(いお)吉(きち)よ。
 と、大工の棟梁と若い左官にさんざん冷やかされて帰ってきた源治であった。
「いや、そう急がなくても良い」
「でも、早く仕事場に戻らなきゃいけないでしょ」
「まぁ、な。それよりも、お民。お前、俺に本当に隠し事なんて、してねえか」
「え―」
 ドキリと心臓が跳ねた。
 源治の真摯な瞳がこちらを見つめている。
 お民は思わずその視線を受け止めきれず、うつむいた。
 川面が初夏の陽差しを受けて、きらめいている。橋のほとりに一本だけ植わった桜の緑が眩しい。陽光に照らされてた葉陰が、地面に繊細な透かし模様を描き出している。
 川面を涼やかな風が渡る度に、地面にひろがった光の網がちろちろと揺れた。
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