この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
石榴(ざくろ)の月~愛され求められ奪われて~
第6章 第2話・壱
 まさか良人に抱かれているその最中に、他の男のことを思い出したなぞとは死んでも口にはできない。
「ごめんなさい」
 お民は素直に謝り、再び眼を固く閉じた。
 源治の顔が近づき、唇が重なる。しんと冷えた男の唇は芯にほのかな熱を帯びている。それは、普段は沈着で滅多と感情を露わにせぬ源治が内に秘める情熱を物語っているようでもある。
 良人が身の内に燃え滾る焔を隠し持つことを知ったのは、いつのことだったか。お民がまだ最初の亭主兵助の女房だった頃、源治は斜向かいに住む気の置けない隣人にすぎなかった。物静かで大人しくて、口うるさい世話女房よろしく、逢えば毎度説教、訓戒と要らぬお節介ばかり焼いていたお民を、源治はただ笑って適当に受け流していた。
 だが、どうやら、それは源治という男のほんの見せかけだったらしい。源治という男は、上辺からは想像も及ばぬほどの熱さを秘めた男であった。それを痛切に感じたのは、一年前、お民が和泉橋町の旗本石澤嘉門の側妾となったときのことだ。
/217ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ