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ボクと世界樹
第3章 切なき双子の性。
どうしてこうなったか、それは数分前に遡る‥‥――――。

ボクらはもういい年だし、男女なのでもうすぐ部屋も分かれる。なので久しぶりにワルツの練習でもしようか――という、他わいも無いことであった。
君が、それはもう嘆くものなので。

「ほら、ワン、トゥ‥って姉さん!しょげていないで!‥もー‥」

‥‥いつもは仲良し双子だし、そりゃあもう息ぴったりの惚れ惚れする素晴らしいダンスなんだけど、ね?
‥そういうところもあり、このところの部屋分け、執拗なリン曰わく「女々しくて吐き気が降ってきそう」女性教育も、まぁ皮肉にもボクを男として意識してしまう要因の一つと化してしまうのだが。

「あ゛~もう、リン、…っ間違った姉さん!しょげてたらもう後少ないボクとの遊ぶ時間が過ぎて行きますよー…姉さん?」

先程からいやーにだんまりな君の顔を覗きこむ。
…泣きそうに怒ってるというように、うちのリンさんは顔をしかめていらっしゃいました。何かヘンだなー、なんてこの妙にしんみりな空気には似つかわしくないことを思った。 すると突然。
「‥レンは‥寂しくない?悔しくないって言うの‥‥?…このふざけた檻のことを‥!!」

ダン……! と君は怒りやらが綯い交ぜになった表情で、近くにあった机を思い切り叩いた。

ボクは、‥一つ、溜め息変わりに無表情になる。
「…寂しい。悔しいし、‥‥でも、しょうがない。寂しいし悔しい。それ以外にも多くこの檻について思ってることは沢山あるさ‥‥それでも、それがこの世界のルールだ。」 世界樹に携わるボク等がきっと一番その重要性を解ってる。
「‥っ‥だから何だっていうの?」

君があろうことかボクの胸倉を掴み髪が触れ合う程近くに引き寄せ、ボクが紳士として守るべき距離を強引に破った。

‥…それが、ボクの心のタガをいともあっさりと決壊させた。

ダン!!! ‥気付けば君を机の或る方の壁に両手をつき、逃げられないように片膝を君の股間に挟んだ状態で、睨むように顔を近づけた。

「…じゃあ何をどうしたいの。こうやってキスでもすれば良い?‥昔みたいに、とはいかないけど」

君に口付けを強要し、舌を君の口内へ侵入させ縮まっている君の舌を絡め取る。
君は流石に涙目となっていて、ボクの肩やら胸やらを力一杯叩いたり引っ張ったり等して抵抗をする。
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