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ボクと世界樹
第3章 切なき双子の性。
「レン…!」
そうボクを呼ぶ君の声がしたので、そちらの方に自然と視線を向けて なあに?と問う。
「あのね、リンおもうの」
だから、何?
そうせっかちなボクが口を開く前に、君の口から言葉が発せられる。
「リンの方がもしおとこの子だったら、レンはおんなの子だったかもって。‥そしたら、リンはレン、を‥‥」
そこで君の口が止まり、少し、戦慄く。
ボクはそんな自分の”おもうこと”に戦慄する君をじっと見つめ暫くの間待ったが、やがてボクの方から言葉を紡いだ。
「‥姉さんはボクを、殺すのかな?」
バッと俯き加減だった顔をあげ、君はとても恐い顔をした。
ボクもちょっぴり驚く位。だけどもボクは直ぐに、
「そんな変な顔姉さんに合わないよ?」
と爽やかニッコリ微笑みつきで言ったら君は、ハッとしたような顔をし今度はいやに何処か真剣な瞳をして笑った。

そんな時の君は、大体ボクに繋がる、恐いことを怖れるときだと心の何処かで解っていたから。
――そうしてボクらは世界樹に意識を通じ合わせて明日もこの世界、そしてボクらが平和なように、幸福が待っていますようにと祈りを送った。
‥君は、あのとき。
何を他に祈ったのか、ボクには未だ届いてなかった。
否――とっくに届いていたのに、振り返らなかっただけかもしれない。

ボクらの応答の約束を、ボクはあの時点で破っていたのかも、しれない。―――識りたくない。そしてそれをボクは彼女に、自らに問うことを拒絶した。
‥ごめん、‥‥リン。
けして言葉にはしない謝罪の言葉を一つ彼女に送った―――。心の、なかで。

事件とは突然ではなく、どことなくひとつの終わりを予感させながら訪れる。
それはボク的持論らしきものである。
だが、その事件後、少し変えた。
ひとつどころではなく、いくつかの終わりだと――。
だって、そうだろう? 実際よくよく考えてもみれば、ひとつどころじゃなくいくつもある。内容は人それぞれ影響区々だが。
その持論の改革行使させてくれた――あのときの君を、ボクは忘れはしない。
君が、自分を本当に認識して、再び消えぬ絶望と共に歩き出すその時まで――。
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