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一度くらい夢を見たら
第4章 夢の結末・・
この本屋はほんとに広くていいわ・・
相変わらず立ち読みだけは続けた。
月刊官能の発売日である今日、
誰もいない棚の前で、ヌード写真からページをめくる。
すぐ隣に人の気配がした。
でも気にせず美奈枝はページをめくり続ける。
一度も顔をあげずに
ただただ月刊官能のページに視線を注いだ。
最後まで一通り読んでから、
雑誌を戻しその場を後にした。
その時もまだ隣に人はいたようだが、
最後までその人物に目を向けることはなかった。
誰がいたって、誰かに見られてたってかまうもんか。
あたしはあたしの楽しみに集中すればいいんだから・・
小さなバッグをプラプラ揺らしながら
月刊官能から遠ざかっていく女の後姿を
静かに見続けていたのは・・
蛍慎之介だった。
end