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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第23章 雪の日の輿入れ
 鏡に映った自分の顔を見るともなしに見つめつつ、瑶子はつい本音を呟いていた。
「今、御所さまのお情けを受けている方はいるのかしら」
 口にしてから、何というはしたないことを口走ったのかと後悔したが、もう遅い。だが、この聡明な侍女頭は微笑しただけだった。
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