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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第27章 切なすぎる夜
「御所さま、赤児が生まれます、取り上げて下さいませ」
「無茶を申すな、私にはできぬ」
「御所さましか頼る方はないのです。私とあなたさまの子です。抱いてやって下さい」
 頼経は唇を噛むと、瑶子の足許に回った。少し開いただけの両脚を大きく開かせる。頼経は眼を見開いた。既に赤児の頭らしいものが覗いていた。
 それから何度か息んだ後、赤ン坊がするりと出てきた。頼経は震える手で小さな血まみれのその赤児を抱き上げた。
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