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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第36章 春雪
 これは素直にその名の謂われを知りたいと思った。その気持ちが伝わったのか、頼嗣はこんなことを教えてくれた。
「互いに想いを確かめ合った男女が一夜、また一夜と重ねて、更に愛情を深めていった。そこから二夜草と呼ばれるようになったとか」
 千草は若い娘らしく、夢見るように瞳をきらきらさせて言った。
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