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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第6章 復讐のとき
 政子の眼には光るものがあった。
「されば、せめて楓だけでも想うた男に添わせてやりたかったのじゃ。大姫のように報われぬ恋に一生身を灼いて、若い生命をむざと散らすのも哀れ。だが、今のそなたを見て安堵したぞ。そなたは惚れた男に愛されて幸せそうに輝いておる。この上は早うに跡取りを儲け、恒正を安心させてやりなされ」
 政子はもう泣いてはいなかった。晴れやかな顔で笑っている。
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