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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第7章 疑惑
 楓は時繁の黒瞳の奥に紛れもない真実を見た。この瞳には嘘偽りの欠片もない。かすかな希望を見出し、彼女は良人を縋るように見つめた。
「知ってからは―」
 その期待を込めた瞳から、時繁は耐えかねたように眼を背ける。落胆に楓の心は折れそうになった。
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