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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第7章 疑惑
「主上(しゆじよう)におわしますか?」
 半ば夢であることを祈りながら問えば、時繁はかすかに頷いた。
 楓は蒼白になった。砂地であることも気にせず、その場に跪いた。
「止さないか」
「でも」
 大きな手が差しのべられ、楓はおずおずと時繁を見上げた。時繁はいつものようにその手で楓の小さな手を包み込み、そっと立ち上がらせた。
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